【ベトナムコーヒー最前線】
- scientistscoffee22
- 11月22日
- 読了時間: 2分
2025年、ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国としての地位をさらに固め、ロブスタの絶対王者として君臨している。2024-2025年産は輸出額84億ドル超を記録し、ロブスタ価格は一時トン5,000ドルを突破。2025-2026年産も増産が見込まれ、再植栽と持続可能な高付加価値コーヒーへのシフトが加速している。

その最前線を知るため、私はブオン・マ・トゥオット近郊のダクラク省へ飛んだ。目的は観光ではなく、現地の農家と本物の信頼関係を築きながら働くことだ。
滞在したのは、化学肥料・農薬を一切使わない100%サステナブル農園。小さな家族経営だが、一切の妥協がない。土壌は自作堆肥のみ、害虫対策は遮光樹と胡椒の混植で自然任せ。収穫は完熟チェリーだけを手摘みし、天日乾燥の後に制御された湿式発酵を行う。チョコレートや花のような複雑な風味が生まれるのは、この途方もなく手間のかかる工程があるからこそだ。
朝5時起床。赤土の丘で籠を背負い、完熟実だけを選りすぐり、発酵タンクをかき回し、腕が悲鳴を上げるまで働く。すべてが手作業。まさに「ベトナムコーヒーの魂」と呼ばれるロブスタの、最高峰の品質はここで生まれる。
水ぶくれは治る。だが、農家の方々と築いた絆と、この豆の味は決して消えない。
次回は収穫から焙煎までの続報をお届けする。ベトナムのコーヒーの未来は、工場ではなく、この赤い土と農家の手の上にある――それだけは、はっきりと言える。




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